TRANSPORT トランスポート(2005)

何の気なしに視聴。ネット上の評価はそんなに高くないけど、最後泣いちゃった。

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●あらすじ

ヤクの売人で自堕落な生活をしている主人公が、原因不明で昏睡状態となった彼女のために、過去と現在を行き来し奮闘するストーリー。

●感想

最初あんまり面白い感じではないけど、我慢して途中まで見ていたら最後はちょっと泣けた。

とりあえず主人公のアートは終始頭が悪い。というか深く物事を考えず、テキトーに楽な方に楽な方に、って人生を歩んできた感じ。もちろん不遇な育ちではあるんだろうけど。

そのアートの恋人がコーディ。この女性があんまり魅力的に描かれてないところが良い。とびきり容姿が良いとか、性格が良いとかいう訳じゃない。そこらへんに居そうな普通っぽい女性なんだよね。そして売春婦をしているらしく、アートの目の前でお客さんの車に乗り込んで行ってしまう。ヤクの売人であるアートもそれを承知しており、普通に見送る。(え?それいいの?って感じ。)

2人ともヤク中で、その日暮らしのような生活。コーディは一応住まいがあるのかな?アートは家なしのようだ。

最初そんな2人のイチャイチャシーンがちょっと無駄に長い。子供が出てくるけど、特に伏線にはなっていない。まぁ不思議な物語への暗示くらいのニュアンスは感じる。

それでその日の夜、アートがコーディの部屋に行くと、その時点でコーディは既に昏睡状態。誰が呼んだか分からないけれど、なぜかすぐに救急車が来てそのまま入院してしまう。

アートは病室でコーディに付き添うけど、身寄りの不明なコーディの事情を聞くためにやってきた福祉士?との会話で揉めて病院を追い出されてしまう。

仕方なく飲み屋に行ったコーディは、馴染みのホームレス風の男、ハーベイと会い、今夜はハーベイの倉庫で休むように勧められる。

ゴミを拾って生計を立てているようなハーベイの倉庫には、ガラクタが沢山置いてある。アートはその中で、ハーベイが「タイムマシン」だと言っていた1人掛けのソファを見つけ腰掛ける。

冗談だと思っていたソファは、本当に時間と場所を移動できるシロモノで、やっとここから時間移動(過去↔︎現在)の話が始まる。

コーディが昏睡状態に至った過去の原因を取り除くべく、過去に行くアート。

ただしアートは頭が悪いので、その時点で自分(アート)の事を知らないコーディにいきなり話しかけて怪しまれるなど、何回も失敗を繰り返す。

ソファには移動回数に制限がないのだろう。一度行って失敗したら、また現代に戻って、過去に行ってを繰り返し、コーディの不調の原因と思われるトラブルを解決していく。この辺はややコメディタッチ。

そんな感じで、コーディが退学する原因となったイジメを解決し、兄の自殺も防ぎ、おまけにコーディの過去の恋人との縁も謎にぶち壊す。

そして現代に戻ってコーディの状態を確認するも、いまだに昏睡状態は治らない。過去が変われば未来も変わるはずなのに…。

そこでさらにコーディの子供時代に遡り、コーディが幼少期に受けた暴力を未然に防ぐ。

これでやっと未来が変わるかと思い現代に戻ると、コーディは昏睡状態からさらに悪化し死んでしまっていた。

この辺から、アートはない頭を使って真剣に考え始めるような感じ。

今度はコーディが昏睡状態になる直前に戻り、コーディに、今日はヤクを辞めるよう説得する。しかしヤクをやらなくてもコーディは結局昏睡状態に。

そこで、アートは、コーディに最初にヤクを勧めた自分と向き合うことになる。

コーディは自分と合わなければヤク中になる事もなかったし、死ぬ事もなかったんだよね。

もしかしたら最初からその考えはあったのかも知れないけど、コーディとの出会いを無くすのが嫌で、それより以前の過去に戻っていたのかも知れないなーって思うけど。

タイムマシンがチープとか言われてるけど、そこはどうでもいいかな?映像美よりストーリー重視かな?と思うので。

テキトーにヤク売って、恋人が売春婦である事も深く気に留めず、その日暮らしで呑気に暮らしていたアートが、コーディの死(昏睡状態)によって、やっと事の重大さに気付くというか。

その辺がポイントかなーと思った。過去と現代のロジックみたいのも別に主題ではないと言う感じ。

ネットの口コミだと、バタフライエフェクトと比較されているようだけど、私そのバタフライエフェクトを見たことないんだよね。だから、この作品を結構気に入ったのかも知れないけど。

ハーベイが、タイムマシンを未来から持ってきたって言ってたから、ハーベイは未来人なのかな?って言う疑問も。未来のアートが現代に来てハーベイと名乗ってる?でもそこまでの感じはしなかったんだよなぁ。

最終的にコーディと出会わない(=ヤクを売らない)選択をしたアート。そこら辺のどこにでも居そうな女性コーディのために、ここまで行動する、っていうのもなんか良いなぁって思える。なぜか分からないけどコーディにゾッコンなんだよね、アートは。

そうしてコーディの命が助かった時には、アートは、コーディと出会わない選択をしていたから、コーディの事は忘れてしまっている。ということは、過去に行き来した記憶も消えて、またアホのアートに戻ってしまったわけ。

それでも何か満足そうなアートは、何かが変わったのか旅に出ることにする。

そして、バスの中でメイクの濃いコーディと再開するんだけど、アートも記憶がないから、コーディの事は認識してないはず。

でも2人はまた付き合うんでしょうねってオチだから、ゆるっとしたハッピーエンドで心も疲れないし、良い映画なんじゃないかな。


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